とりとめのないブログ・・・

税理士・中小企業診断士・CFP 篠川徹太郎事務所

八ヶ岳 カモシカ山行

今年の7月3連休は暑かったですね!

この3連休には少し走り込もうと思い、連休初日の午前中に鶴見川沿いに市ヶ尾高校までサンダルで走った。しかし走っているうちに、右足に靴擦れのような違和感があり、もしかしたら鼻緒が擦れているのかと思い、走り方を変えたり色々しても症状は変わらず、段々と左足にも同じような症状が出てきた。おかしい、サンダルだから靴擦れなど起きる筈がないのに・・・そうこうしているうちに痛みは増し走ることが出来ない。足を引きづりつつ家へ戻ってよく見てみると、何と足の裏の指の付け根(走っているときに着地する場所)に、やけどの水ぶくれが出来ているではありませんか!

足の裏をやけどするような暑い日に、平地で走り込むのは如何なものか?

そう考えた私は、みなとみらいのモンベルでウェアや地図を購入し、連休3日目に八ヶ岳に行くことにしたのである。

八ヶ岳へのアプローチと言えば、私が現役の頃は新宿発2355一択だったわけだが、そんな列車はとっくの昔に廃止されているので、どのように現地へ向かうのかをまず考える必要がある。ネットでちらっと検索すると「毎日あるぺん号」というバス便が美濃戸口まで行くので便利そうだ。それで日曜の朝に電話で予約を入れようとすると日祝は会社お休みとのことでダメかと思いましたが、ダメもとで緊急連絡先として記載のあった携帯番号にかけてみたら、普通に予約OKでした。

それで夜中の24時頃に京王八王子駅前ターミナルに集合してみると、数人の山の格好をした人々と、ツアーコンダクター的な人が一人おりました。ツアーコンダクター的な人に聞いてみたところ、このバス便もここ2~3年は人気が出てきて、連休初日にはかなりの台数のバスを出したが、予約をさばききれなかったと少し残念そうに言っておりました。

夜行バスを使って山登りに行くのは初めてだったけど、これは結構良かったですね。意外とちゃんと寝れるし、昔の2355の時のように列車の椅子に変な風に折れ曲がって横になるより、そもそもバスのシートは人がリクライニングして横になれるように設計されているので、体への負担も少なかったです。八王子を24時過ぎに出発したバスは様々な場所でしこたま時間を使いながらのろのろと進んでゆきます。そうしないと登山口に早く着きすぎるので当然と言えば当然、仕方ないといえば仕方ないのですが、真夜中のドライブインで運転手さんが突然フロントガラスの掃除を始めた時には少しびっくりしました。

美濃戸口には4時40分頃に到着。久しぶりだったけど土地の面影は憶えているものです。空が白んできてヘドラ無しで歩けたので、サクサクと歩き出し今日一日のロングトレイルへと出発しました。

歩きやすい道を2時間ほどで赤岳鉱泉に到着。この前来たのはいつだったかと思い出してみるに、長男が小学6年のときに一緒に来たのが最後ですから、かれこれもう12年も前になります。12年ぶりの赤岳鉱泉はなんだか少し疲れているような、周りはガスに包まれ、アベック登山客や中高年登山グループが朝食の準備や出発の準備をしておりました。

赤岳鉱泉から1時間ほどで赤岩の頭に到着。引き続き周りはガスに包まれ、ここまで登ると風も強くなり、体感温度は低下してゆきます。ユニクロのTシャツにアンダーアーマーのジョギングパンツという格好だけでは縦走の継続は不可能だったでしょう。そこで、出発前にモンベルで購入したウインドブレーカーを羽織ると大変結構でした。モンベルという会社はこの手のアウターの品揃えがきわめて豊富で、我々登山者には本当に有り難いメーカーですね。しかし品揃えが豊富すぎて、自分が何を買ったのかオンラインショップを見てもよく分かりませんでした。。。

横岳を過ぎるころにはガスも上がってきて、赤岳には10時過ぎに到着。美濃戸口からはおよそ5時間ちょいのアルバイトでございました。諏訪湖も見えて、良い景色です。

赤岳からはガレた岩場を少し慎重に下り、落ち着いた佇まいのキレット小屋に到着します。キレット小屋はその昔、山ちゃんと厳冬期の八ヶ岳をトライした時に泊ったのですが、その夜というか明け方が物凄く寒かったことなどを思い出したりして、後半戦へのねじを巻こうかと思いましたが、やはり後半はばててしまってダメだね。登りで足が上がらず、一歩一歩がつらい。権現岳頂上直下のはしごをヘロヘロになって登り、そこから少し下って青年小屋に到着。青年小屋には乙女の水とかいって小屋から数分のところに水場があるんだけど、水汲み行ったらブヨがすごくって参りました。水を汲んでいるだけで何十匹ものブヨが人の周りをぶんぶん飛び回り、なにが乙女の水かと思いましたね。

青年小屋で疲れて編笠山を見上げると、けっこうな登りで気分が上がりません。押手川までの巻道もあるし・・・のろのろと登高を開始するとやはり足が上がらず、先行するカップル登山者には追い付きそうもない。一歩一歩登ってゆこうとすると、すかさずブヨの来襲を受ける。ブヨを払いのけながら進んでゆくが、一息つこうとすると何十匹ものブヨに襲われるのには参りました。何というか、世界中敵だらけのアメリカンアンチヒーロ―にでもなった気分で、隙あらばブヨをバシバシと払いのけ、殺し、ああ俺には東洋的な殺生の精神はもはや残っていないのかと嘆息しながらブヨと戦い、登り、どうにか編笠山の頂上にたどり着きました。景色が良かったのが救いです。

景色は良かったのですが、目的地である小淵沢まで見えて、これが物凄く遠くに見えて、ええっ、あそこまで歩くのかよ絶対に無理!!などと内心でぼやきながら、しかしぼやいているだけでは状況は好転しないので仕方なしに押手川へ向けて下り始めます。編笠山の頂上から押手川までは標高差500メートルは有り、けっこうな下りです。道はまぁ歩きにくくはなかったのですが、いかんせん疲れているためスピードは上がりません。加えてブヨの来襲は引き続き、少し休もうとすると何十匹ものブヨに囲まれるため、のんびりできません。ようやく押手川に到着すると、少しお疲れの様子のギャル3人組が巻道を経由して下山してきました。彼女たちも休憩したので、少し離れたところで休憩しようとすると、ここでもものすごい数のブヨの来襲を受けます。そもそも押手川という地形が湿地帯のため、ここではブヨが大量発生しているのではないだろうか?これはたまらんと早々に出発したわけですが、ギャル3人組のその後が少し心配です。というのも、彼女たちだってブヨの来襲を受けているわけだし、女性だからといってブヨへの耐性が高いというわけではないだろう。加えて、押手川からは楽な下りだろうと高をくくっていると、迷いやすい地形の中を目的地である観音平まではかなりの距離を歩かされます。私も一度道に迷いましたが、道に迷うとブヨの数は激増し(周りがコケだらけの湿地帯のため)かなり心細いものです。そんなこんなで、編笠山は初心者にはかなり手強い山なのではないかと。

観音平に到着すると、疲れ切っていた私はここでタクシーを呼ぼうかと思案しましたが、電話が無いんですね。荷物軽量化のため携帯を持ってきていない私としてはタクシー会社に連絡を取る術がないということになります。何とか親切な人を見つけてヒッチハイク小淵沢までお願いできないかとの考えも空しく、結局は広大な斜面を小淵沢へ向けてとぼとぼと歩き始めるより他にありません。考えてみれば、自分でそうゆう計画を立てたんだから、仕方ないです。6時過ぎにはようやく小淵沢の駅に到着し、本日の行動時間は13時間30分也。小淵沢から見た編笠山が物凄く高く遠く、おい本当にお前あそこから歩いてきたのかよ、と問いただしたくなりました。

ところで・・・

ジョギングシューズを履いて山を走ったりすることを「トレイルラン」とか言って、けっこう流行っているようです。今回の私の山行も、格好からすれば「トレイルラン」といった括りになるのかもしれませんが、実際に私は山では走ってはいませんので、「ラン」は無いだろうと思います。その代り、あまり休まず早歩きで距離を稼ぐのは昔は「カモシカ山行」などと呼んでいたものです。

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