とりとめのないブログ・・・

税理士・中小企業診断士 篠川徹太郎事務所

工業簿記の問題

工業簿記というか原価計算について、少し勉強している。

税理士のはしくれとして簿記会計を生業としている俺だけど、久しぶりに勉強してみたら工業簿記がさっぱり分からなかった。

何が分からないのかもよく分からなかったんだけど、工業簿記の場合の原価計算期間が 「通常1ヶ月である」 ということにいきなりつまずいた。

1ヶ月って、なんか短すぎないか?

それと、「材料費・労務費・経費を仕掛品勘定に振り替える」 という工業簿記の基本とされているところで思いっきりつまずいて、いまだに立ち上がれないでいる。

経費を資産に振り替えるって、どうゆうことよ?

それで、昔の参考書を引っ張り出して来たら、仕掛品勘定ではなく製造勘定として説明があって、ようやく少し思い出してきた。。。

話は少し飛ぶが、商業簿記を勉強していて 「決算時に収益・費用を損益勘定に振り替える」 ということがよく分からなかった記憶がある。

「損益勘定」って何よ?って疑問に思ったものです。

しかしこれは実際に手を動かして書いてみると、「損益勘定」 = 損益計算書 (Profit & Loss) ということがよく分かり、納得した記憶がある。

同じことで、「製造勘定」を実際に書いてみると、「製造勘定」 = 製造原価報告書 (Cost Report) ということになり、納得した記憶がある。

それが、最近では製造勘定は使われずに仕掛品勘定による説明が主流になっているそうだ。

成川正晃さんという方が書いた 「工業簿記における製造勘定と仕掛品勘定」 という論文をネットで見つけ、これはとても参考になった。

2007年に発表されたこの論文によると、高等学校で使われた教科書においては主に製造勘定が使用され、最近の日商簿記検定試験の問題では仕掛品勘定が使われているとのこと。

これには驚いた。ましてや、第76回の日商簿記検定試験以後は必ず仕掛品勘定が使われているとのこと。

第76回の検定試験といえば、1992年6月 ・・・・ 日本の製造業が凋落していった丁度その頃ではありませんか!

これは単なる偶然かもしれないけど、そうじゃないのかもしれない。

工業簿記は継続記録法により棚卸資産の価額を誘導的に導出する点にひとつの特色がある。いちいち実地の棚卸をしなくても OK というわけだ。

でも、実地の棚卸をしなければ棚卸資産の減耗損や評価損は認識できないじゃないですか!

製造勘定を使わずに仕掛品勘定を使うということには、期末の勘定残高イコール棚卸資産の価額といった思惑が潜んでいる。

つまり、仕掛品について実地の棚卸を省略しても良いのではないかと思わせる語感を持っており、多くの工場担当者がこうした語感に惑わされて仕掛品について実地棚卸をおろそかにしているということだ。

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