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税理士・中小企業診断士 篠川徹太郎事務所

消費税の増税と法人税の減税

「消費税増税!得をするのは誰?」という記事において、私なりに消費税の骨組みを示したつもりですが、そういえば、今回の消費税の増税法人税の減税とセットで政治的な議論になっています。

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これはある意味、非常に興味深い議論ではないかと思います。

先の記事において、消費税には輸出免税の規定が組み込まれていることを指摘しましたが、そのことにより、専門家のなかには「消費税は国境税において中立な税制」である旨主張される方がいます。しかし、もう一歩踏み込んで言うと「(少なくとも法人税よりは)消費税は輸出奨励型の税制」であるということができるかと思うのです。

したがって、企業の国際競争力という観点においては、消費税を増税して法人税を減税するというのは、これはこれで筋の通った話ではあります。

一方、「社会保険の財源を消費税の増税で賄う」といった主張もよく耳にするところです。しかし、上記のように、消費税には輸出免税の規定が組み込まれていますので、(少し古風な言い方をすれば)消費税では輸出により獲得した外貨を財源とすることができないのです。

どういうことかというと、仮に輸出100%の企業とその下請企業があったとします。下請企業はその売上について消費税を納めますが、その税額は控除対象仕入税額として輸出企業に全額還付されることになるのです。

上記は確かに極端な例ではありますが、これが輸出免税の仕組みです。下請企業としては値段を叩かれたうえ、さらに、自己の納めた消費税は公のために使われるのではなく、輸出に対するインセンティブ = 補助金として、元請企業の懐に入ってゆく仕組みになっているのです ・・・

また、社会保険ということについて、消費税には輸出免税のほかに、非課税の規定が組み込まれています。

例えば、社会保険医療や介護保険サービスなど、いわゆる「社会保険」と呼ばれるものの多くは、社会政策的な配慮により消費税は非課税とされているのです。

そうするとつまり、社会保険関連の売上をいくら伸ばしても消費税の税収は増えないのです。

そんなこんなと考えると、諸外国との比較でなんとな~く納得して、消費税を増税し、そして消費税に頼ろうとすることは、危険なことなんじゃないか ・・・ と、私は思いますが ・・・

しっかし、この問題は根が深いな ・・・ 稿を改めて論ずる必要があります。

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