中小企業再生のターニングポイントはここだ!
書評です
中小企業の再生については様々な本が出版されていますが、どちらかというと教科書的な本が多いような気がします。もちろん、教科書的な内容を理解しないで事業再生に関わることはできないのですが、そうした著作は往々にして債権者=金融機関目線で書かれているような気がします。
それに対してこの本は、事業承継者の目線に立って書かれた本であると思います。これは、事業再生に関わる人間にとって正当かつ極めて重要な基本的態度ではないかと思います。
印象的なフレーズがいくつかありましたので紹介してみます。
- 「やる気があるのか?」の愚問
- 社長の意に反したアドバイスをすれば、報酬はもらえないかもしれません
- 社員は人財という認識を持つ必要があります
- 再生という視点でB/Sを見た場合は、不動産と借入金は常に同額になる
- 不採算になっているのは、商品や人が腐っているケースが、大半なのです
- 事業再生の主人公は、従業員と取引先です
- 抜け駆け的な第二会社方式で、真の再生が果たせるのか?
- 経営者が「モノ」を守ろうとした瞬間、破綻へのカウントダウンが始まっています
- 厳しい局面におけるアドバイザーの役割は、第一義的には経営者の意識改革である
- 事業再生の基本は、「後継者に負の遺産を引き継がせないこと」にあります
- 破産の必要があるのは、光り輝く将来がある場合です
- 会社が掛けている保険は解約する、個人が掛けている保険は絶対に解約しない
事業再生の現場で使えるノウハウが詰まった本ではないでしょうか。