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税理士・中小企業診断士・CFP 篠川徹太郎事務所

130万円の「壁」 ?

社会保険の被扶養者認定の基準として 「130万円の壁」 などと言われることがしばしばありますが、この 「壁」 の根拠法令については、あまりはっきりしないのではないかと思われます。

厚生労働省法令等データベースサービスを調べると次の文章が出てくるが、これは厚生省(当時)の保険局長がその取り扱い指針を示した内部文章にすぎず、いわゆる通達行政の最たるものといえる。それも、今から38年前の昭和52年(1977年)の通達であり、その間の物価や保険料の高騰など社会情勢の変化を一切顧慮することなくこの通達が未だに有効であるといわれている。

また、被扶養者の認定要件に 「主トシテ其ノ被保険者ニ依リ生計ヲ維持スルモノ」 とありますが、例えばサラリーマン大家さんの奥さんがご主人から青色専従者給与を年間130万円以上受け取っている場合、この場合の奥さんは明らかに「主トシテ其ノ被保険者ニ依リ生計ヲ維持スルモノ」であるにもかかわらず、ご主人の会社の社会保険から抜けて、自らが国民健康保険および国民年金の被保険者にならなければいけないのでしょうか??

私の勉強不足かもしれないけど、社会保険の被扶養者の要件に関しては、あいまいな部分が多い気がします。

税理士 佐久間裕幸の談話室」 というブログの記事も参考になりました。

○収入がある者についての被扶養者の認定について (昭和五二年四月六日) (保発第九号・庁保発第九号) (各道府県知事あて厚生省保険局長・社会保険庁医療保険部長通知) 健康保険法第一条第二項各号に規定する被扶養者の認定要件のうち「主トシテ其ノ被保険者ニ依リ生計ヲ維持スルモノ」に該当するか否かの判定は、専らその者の収入及び被保険者との関連における生活の実態を勘案して、保険者が行う取扱いとしてきたところであるが、保険者により、場合によっては、その判定に差異が見受けられるという問題も生じているので、今後、左記要領を参考として被扶養者の認定を行われたい。 なお、貴管下健康保険組合に対しては、この取扱要領の周知方につき、ご配意願いたい。 記 1 被扶養者としての届出に係る者(以下「認定対象者」という。)が被保険者と同一世帯に属している場合 (1) 認定対象者の年間収入が一三〇万円未満(認定対象者が六〇歳以上の者である場合又は概ね厚生年金保険法による障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者である場合にあっては一八〇万円未満)であって、かつ、被保険者の年間収入の二分の一未満である場合は、原則として被扶養者に該当するものとすること。 (2) 前記(1)の条件に該当しない場合であっても、当該認定対象者の年間収入が一三〇万円未満(認定対象者が六〇歳以上の者である場合又は概ね厚生年金保険法による障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者である場合にあっては一八〇万円未満)であって、かつ、被保険者の年間収入を上廻らない場合には、当該世帯の生計の状況を総合的に勘案して、当該被保険者がその世帯の生計維持の中心的役割を果たしていると認められるときは、被扶養者に該当するものとして差し支えないこと。 2 認定対象者が被保険者と同一世帯に属していない場合 認定対象者の年間収入が、一三〇万円未満(認定対象者が六〇歳以上の者である場合又は概ね厚生年金保険法による障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者である場合にあっては一八〇万円未満)であって、かつ、被保険者からの援助に依る収入額より少ない場合には、原則として被扶養者に該当するものとすること。 3 前記1及び2により被扶養者の認定を行うことが実態と著しくかけ離れたものとなり、かつ、社会通念上妥当性を欠くこととなると認められる場合には、その具体的事情に照らし最も妥当と認められる認定を行うものとすること。 4 前記取扱いによる被扶養者の認定は、今後の被扶養者の認定について行うものとすること。 5 被扶養者の認定をめぐって、関係者間に問題が生じている場合には、被保険者又は関係保険者の申し立てにより、被保険者の勤務する事業所の所在地の都道府県保険課長が関係者の意見を聴き適宜必要な指導を行うものとすること。 6 この取扱いは、健康保険法に基づく被扶養者の認定について行うものであるが、この他に船員保険法第一条第三項各号に規定する被扶養者の認定についてもこれに準じて取り扱うものとすること。

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