読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

とりとめのないブログ・・・

税理士・中小企業診断士 篠川徹太郎事務所

石原莞爾 「戦争史大観」

書評(本と映画)

戦後70年の夏、中公文庫から出ている石原莞爾の 「戦争史大観」 を読んで、私も少しは先の戦争について考えてみた。

f:id:shinokawa-office:20170104122348j:plain

今となっては不思議なことは、日中戦争が継続中であるにもかかわらず、アメリカに戦争を挑んだこと。 中国とアメリカという東西の両大国に戦争を挑んで、どう考えても勝ち目は無いと思われるのに、そのことについて当時の人々がどのように考えていたのか、興味があった。

満州事変の首謀者の一人である石原莞爾は、(意外にも) 日中戦線不拡大論者だったらしい。 その理由は、「東亜の大同を完成し、西洋覇道主義に対抗してこれを屈服、八紘一宇を実現せねばならない」 と考えていたからであり、「東亜の大同を完成」 させるためには中国との戦争を停止させ、協力関係を築く必要があると考えていたからである。

ところが現実の問題として、「東亜の大同」 ははかばかしく進んでいない。なぜならば 「民族問題は世界の大問題であり、日本民族も明治以来朝鮮、台湾、満州国に於いて多民族との協同に於いて殆ど例外なく失敗して来た」 からであり、それどころか、「今日の日本人は西洋文明を学び、大体覇道主義となっている。あるいは西洋人以上に覇道主義者である。・・・八紘一宇と言いながら弱者から権利を強奪せんとし、自ら強権的に指導者と言い張る。この覇道主義が如何に東亜の安定を妨げているかを静かに観察せねばならない」 のが現実であった。

こうした矛盾あるいは理念と現実との不整合を放置した時点で、戦争は必敗であったと思われ、同時に、戦後70年の今へと続く歴史認識の問題が生じたものと思われるのです。

shinokawa-office.com