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税理士・中小企業診断士・CFP 篠川徹太郎事務所

TPP と医療の問題

環太平洋パートナーシップ (TPP) の交渉に臨むのかどうかということで、賛否両論があるようです。

少々意外なのは、医師会をはじめとする医療関係者が反対派の先頭に立っていることです。

曰く、「国民皆保険制度が崩壊する」 とか主張しているわけです。

しかし、こうした主張は、国民健康保険など公的医療保険の高騰に苦しんでいる一般的な子育て世代の感覚とは、随分とかけ離れているような気がしています。

確かに、現在の公的医療保険制度のおかげで安価で良質な医療を受けることが出来ているのかも知れませんが、それは窓口負担が3割 (または1割) であることに着目した場合の意見であって、残りの7割 (または9割) について誰がどのように負担しているのかについての視点が欠落しています。

例えば、国民健康保険 (市町村国保) についていえば、保険給付費 (医療費総額から窓口負担分を除いた額) に対する国庫補助の割合は55.4%にのぼっています。
(平成19年度の実績、厚労省の資料による)

つまり、医療の実態は補助金産業であるということです。

そういった視点から眺めれば、医療関係者が農業関係者などと歩調を合わせて TPP に反対するというのも、うなずける話ではあります。

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