とりとめのないブログ・・・

税理士・中小企業診断士・CFP 篠川徹太郎事務所

国民健康保険の再編

後期高齢者」というネーミングが災いしたか、その後急遽、「長寿高齢者」などといかにもお役所っぽい言い換えをしてみたものの効果なく、75歳以上の健康保険を別枠で運営しようという試みは、空しく廃止になるんでしょうね。

この制度、「年寄り差別だ!」などと息巻いている人々がいたみたいだけど、ホント、何考えてるんだと思いますよ。一定以上の年齢になれば医者にかかる割合や医療費の負担が増えてくるのは当然の成り行きだし、そうしたグループを大きな括りで、多種多様な方面からサポートしてゆきましょうという趣旨だったのだろうし、その方向性は間違っていないと私は思います。そもそも、新生児や子どもの医療と老人の医療を同じ制度の枠内で運営していて本当に良いのかという疑問もあります。

とにかく、「後期高齢者」は空しく廃止になるんでしょう・・・

では、どこが・誰が「後期高齢者」の受け皿になるのか?? それが問題です!!

そ~なんです、「国民健康保険」なんですね、これが!! まあ、他に選択肢が無いというだけの話なのですが・・・

この話、今年の7月頃ですか、「後期高齢者」廃止後の受け皿を既存の「国民健康保険」にするという話を聞いた時、私は空恐ろしい気持ちがしました。

そうでなくても、普通の自営業者では払いきれないほど負担が増大し未納率が激増している「国保」、さらに、地域間格差が4倍とも5倍とも言われている「国保」が、「後期高齢者」を吸収することによって絶望的な状況に陥ってしまうことは、もはや明らかなのではないでしょうか?!

現在の国民健康保険の運営主体は市区町村ですが、本当にこのままで良いのか?

「08年度の1人当たり平均保険料でみると、最も高いのは北海道・猿払村で13万5千円。最低は沖縄県伊平屋村で2万8千円と、5倍近くの保険料の差がある。」 (日経朝刊・2010年9月28日)

猿払村だとか伊平屋村だとか、聞いたこともないような市町村に国保の運営を押し付け、法の下での平等に反するような地域間格差を放置し、さらに「後期高齢者」を吸収することにより、自営業者に対する負担や地域間格差を絶望的なレベルまで拡大する ・・・ そんなことが許されるのか??

許されるのでしょう ・・・ 国民皆保険の理念を放棄すれば ・・・

しかしその前に ・・・ 国保の運営主体を市町村から都道府県へ変更すること ・・・ もう数年前から議論しているみたいだけど、さっぱり進展していない様子。

国保の運営主体になることについて「都道府県の多くは反対の姿勢を取っている」、などというマスコミのお決まりのコメント ・・・ ホント、どうしょうもないよね ・・・ 日本のタコ壺メンタリティの典型であって、行政官としての自覚などどこにもないんだ ・・・

しかし ・・・ 国保の運営主体を今後は都道府県がになってゆかなければ、国民皆保険の理念は崩壊する ・・・ そんな瀬戸際の状況であると私は思っています。

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