とりとめのないブログ・・・

税理士・中小企業診断士 篠川徹太郎事務所

ギリシャ危機

ギリシャの現状をテレビや新聞などで見て、「日本もいつか・・・」 という人は多い。そこで、私自身が見てそして経験したギリシャについて少し書いてみたいと思った。

私が日本企業の欧州駐在員であった頃、主な仕事は産業用機器の部品を欧州各国の顧客に販売することであった。

ここだけの話、我々が取り扱っていた産業用機器の部品というのはえらく高いもので、ちょっとしたゴムパッキンに何千円もの定価が付けられている等々、我々出先の主な仕事のひとつが、顧客からの値下げ交渉をいかにうまく食い止めるかということであった。

そんなある日、ギリシャの顧客 (公営企業) から引き合いがあり、驚いたことに、あいだに入ったエージェントから 「定価の2倍で見積りを出して欲しい」 との指示があった。もちろん、このエージェントに対して相当莫大なコミッションを支払うという前提で、である。

私が仕事をしていた欧州の事務所は、北はアイスランドから南はギリシャあるいはトルコまでカバーしていたが、そんな法外な要求をしてくるのはこのギリシャの顧客だけであった。

そして、そのエージェントの指示通り、我々は受注し、入金し、そしてそのエージェントに対してコミッションを支払ったのである。。。

受注のお礼も兼ねて、私はギリシャへ出張した。

ギリシャに到着したのは夜であった。

まず驚いたのは、ギリシャではタクシーがすべて相乗りであるということ。タクシー乗り場で待っている人々が二言三言話し合い、平然とかつおだやかに、それぞれの目的地へと相乗りで向かってゆく。私の場合、外国人だしギリシャ語に不案内なので、ど~なることかと思っていると、親切な若者が段取りを付けてくれ、物静かなご婦人と相乗りすることとなった。そしてそのご婦人はどこぞの住宅街で淡々と下車し、タクシーは何事もなかったかのように私の宿泊するホテルへと向かったのである。

ギリシャのタクシーの運転手は、私の記憶ではその全員が例外なく、数珠のようなものを手に持って運転している。ある者はそれを手の中でころがしながら、またある者はシフトレバーなどにひっかけたその珠を回転させながら ・・・

また、ギリシャではマリア信仰が深く根付いているように思われた。多くのタクシー運転手はマリア像を運転席から見えるようにして、数珠のようなものをいじっている ・・・

さて、ギリシャ危機が露呈して、ギリシャでは戦後50年もの長きにわたり(途中、軍事政権の時代があったにせよ)、カラマンリス一族とパパンドレウ一族が政権をたらいまわしにしてきたということを初めて知って、これにも驚かされた。

と同時に、私が空港で出会った親切な若者や物静かなご婦人、それにマリア像を見ながら数珠のようなものをいじくり倒しているタクシー運転手の持つ閉塞感はいかほどのものであろうかと考えたのです。

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