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税理士・中小企業診断士 篠川徹太郎事務所

仮装経理の後始末

主として金融機関対策として、また建設業であれば経営事項審査の得点アップ等のため、仮装経理つまり粉飾決算が行われることがあります。 特に架空在庫の計上は、決算時に仕訳の数字をいじくるだけで出来てしまうので、もっとも簡単な粉飾決算の手法です。

ある期に架空在庫を計上した場合、翌期に利益計上が見込まれ期末に正常な在庫金額まで減額できればまだ良いのですが、通常の場合は業績の不振が継続して、翌期末にも再度架空在庫を計上することになり、そんな調子で数年を経過すると膨大な金額の棚卸資産 (建設業であれば未成工事支出金) が積み上がってゆくことになります。

こうした粉飾決算の後始末のやり方として、伝統的には 「前期損益修正損」 として当期の損失として計上するとともに、税務上は別表4で加算するというものでした。

しかし、平成24年3月決算からいわゆる 「過年度遡及会計基準」 が適用され、税務上の取り扱いも変更されています。

法人が「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」を適用した場合の税務処理について(情報)

以下抜粋

過年度遡及会計基準の導入前において、仮装経理をした法人がその仮装経理をした事業年度後の事業年度の確定決算において 「前期損益修正損」 等として経理することにより修正の事実を明らかにすることと一般に取り扱われてきました。この過年度遡及会計基準導入前の取扱いは、過年度の仮装経理を修正した事実を明確に表示することを義務付けることにより、粉飾を防止し、真実の経理の公開を確保しようという趣旨によるものです。 (大阪地裁平成元年6月29日判決参照)
過年度遡及会計基準導入後には、過去の誤謬の訂正は、原則として修正再表示により行われ、会社法上の計算書類において、過年度の累積的影響額を当期首の資産、負債及び純資産の額に反映するとともに、誤謬の内容等を注記することとされました。

伝統的な 「前期損益修正損」 とその後の別表4の加算(自己否認)による処理は、どちらかというと罰則的な意味合いが強いような気がしないでもない。

これに対して最近の改正では、会計上は期首の修正仕訳と注記事項だけで済み、こちらの方が粉飾決算の後始末を穏便に済ませたい会社には向いているような気がします。

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