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税理士・中小企業診断士・CFP 篠川徹太郎事務所

会計検査院が消費税法に意見する

会計検査院という機関が、「消費税の課税期間に係る基準期間がない法人の納税義務の免除について」 と題して国税に意見しています。

会計検査院は2年前の平成21年10月にも、 「賃貸マンション等の取得に係る消費税額の納付について」 と題して国税に意見しており、この意見に基づいて (だと思いますが) 消費税法の改正が行われたという経緯があります。

少し専門的になってしまうのですが ・・・

新設法人等の消費税の免除については、すでに下記のような改正案が可決・成立しており、平成24年1月から施行されることとなっています。

イ 個人事業者のその年又は法人のその事業年度につき現行制度において事業者免税点制度の適用を受ける事業者のうち、次に掲げる課税売上高が1千万円を超える事業者については、事業者免税点制度を適用しない。 (イ) 個人事業者のその年の前年1月1日から6月30日までの間の課税売上高 (ロ) 法人のその事業年度の前事業年度(7月以下のものを除く。)開始の日から6月間の課税売上高 (ハ) 法人のその事業年度の前事業年度が7月以下の場合で、その事業年度の前1年内に開始した前々事業年度があるときは、当該前々事業年度の開始の日から6月間の課税売上高(当該前々事業年度が5月以下の場合には、当該前々事業年度の課税売上高) ロ イの適用に当たっては、事業者は、イの課税売上高の金額に代えて所得税法に規定する給与等の支払額の金額を用いることができる。

今回の会計検査院の意見は、こうした法改正では不充分であるとしているわけで、私もそう思います。

先の 「賃貸マンション等・・・」 のケースにおいても、平成22年4月に施行された改正によって一応の対応はしたことになっているのですが、いかにもつぎはぎだらけの法改正であって、消費税法を知らない一般の方々には極めて難解な改正になってしまっています。

今回の免税事業者の要件見直しも同様であって、いかにも中途半端なつぎはぎだらけの改正であって、会計検査院が不充分であるとしたのはもっともな判断ではないかと思います。

消費税を基幹税として育ててゆくためには、立法者の構想力が問われているわけですが、行われるのは小手先だけのおっかなびっくりな改正だけで、いつもがっかりさせられます。

もっと申告納税の基本に立ち戻って消費税法を再構築すべきだと思うのですが、どうでしょうか?!

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